失敗事例から学ぶ基幹システム構築講座

(クラウド2)
「流通・卸売業にとってのクラウド利用のメリットを考える」
中堅・中小規模の流通・卸売業にとっても、SaaS、クラウドは雲の上の存在ではありません。むしろ限られたIT投資の中で、スピーディで高度な対応が求められる中堅・中小規模の企業こそ積極的に取り入れなければならない分野といえます。具体的にどのような業務をSaaS、クラウド化していけばよいのでしょうか。
(2010/10/19)
筆者:(IT コンサルタント)石田 富士夫
前回は従来の導入型と比較し、SaaSやクラウドといったシステム形態について解説しました。その中で業種を問わず、その違いとメリットについて説明しました。今回は流通・卸売企業の業務ニーズに一歩踏み込んでSaaSやクラウドの利用メリットを考えてみます。
流通・卸売業の現状と今後の方向
以前のコラムにも掲載しましたが、流通・卸売業を取り巻く環境は国境を越えてグローバル化し、インターネットによってどこからでも商品情報が検索できるようになり、消費者が主導権を持って商品を選択できる時代になりました(「インターネット時代の販売戦略と情報システム」参照)。商品の調達においても同様のことが言えます。業務を行なっていくために情報ネットワークを利用した取引は、今後ますます重要度を増してくると考えられます。流通・卸売業界にとっては自社のIT化に対して、より積極的な取り組みが必要となっています。
このように情報化に対して求められるスピード化と高度化のニーズを考えると、これに自社で対応していくための人的、金銭的な投資は中小企業にとって重い負担となってきています。
クラウドの基本概念は、これらのIT化のニーズに対し、各社が単独に自社システムを開発・導入していく負担を軽減し、必要な時に必要なリソースやアプリケーションをスピーディに取り入れ、使用した分のみのコストを支払うというものです。自社の業務に必要なメニューがクラウドに全て揃っていれば、この方法は大変メリットがあります。しかし、現状はまだ選択できるメニューが少なく、SaaSでのサービスメニューの充実はクラウドサービス提供ベンダーの今後の努力に期待するところが大きいという状況です。







